マイホーム購入を検討するとき、多くの方が気になるのが「いくらまで住宅ローンを組めるのか?」や「自分の年収の場合での目安は手取りでいくらなのか?」という疑問です。住宅ローンは数十年単位の長期返済が前提となるため、借りられる金額よりも「無理なく返せる金額」を知ることが大切です。
特に共働き世帯が増える中で、合算収入を前提にローンを組むケースも多く見られますが、その分リスクもあるため、適切な知識が欠かせません。
今回は、住宅ローンを組む際の年収を基準にする場合の目安や、返済額のシミュレーション、さらに共働きの場合の考え方まで徹底解説します。
住宅ローンの基本的な考え方
住宅ローンを組む際に最初に知っておくべき基本の考え方は、「借入可能額」と「返済可能額」の違いです。
銀行は返済比率を基準に融資額を決めますが、必ずしもその金額が生活に無理のない水準とは限りません。まずは住宅ローンの基本を整理し、なぜ「無理なく返せる額」が大切なのかを説明します。
借入可能額の一般的な目安
銀行などの金融機関では、基本的に住宅ローンを審査する際に「返済負担率(返済比率)」を用います。これは「年収に対する年間返済額の割合」で、多くの金融機関は25〜35%を上限としています。年収500万円で返済比率30%とするなら、年間150万円、月額約12.5万円の返済まで可能ということです。
ただしこれは「借りられる上限額」であり、家計に無理のない額とは別物です。
返済負担率(返済比率)とは?審査での基準
返済比率は住宅ローン審査の重要指標で、金融機関ごとに上限が異なります。
フラット35では年収400万円未満で30%、400万円以上で35%が基準です。
ただし実生活では25%程度に抑えると余裕を持った返済ができると言われています。教育費や老後資金も考慮すると、「借りられる額」より「返せる額」に意識を向けることが不可欠ですよね。
住宅ローン|年収から見た目安と手取りの関係
住宅ローンは「年収の何倍まで借りられるか」と表現されることが多いですが、実際には年収を目安としながら手取りで考える方が堅実です。
そこで次は手取りを基にした返済額の目安を見ていきましょう。
手取りベースで考える重要性
年収には税金や社会保険料が含まれているため、実際に生活に使える「手取り」は年収より2〜3割少なくなります。住宅ローン返済は生活費から出すものなので、本来は「手取りベース」で考えるのが現実的です。
年収500万円といっても、実際に使えるのは手取り400万円程度。この差を無視して年収を基準に借り入れると、生活費が圧迫されるのは目に見えています。返済額はこの手取りを基準に設定するのが安心でしょう。
住宅ローンは20〜35年と長期間に及ぶため、収入が増える保証のない時代においては「手取りで考える」ことが安定した返済のカギです。
無理のない返済額は「年収の25〜30%」が目安
一般的に「住宅ローン返済は年収の25〜30%以内」が無理のない水準とされています。
手取り400万円なら年間100〜120万円、月額8〜10万円程度が上限といえます。実際には教育費や老後資金も必要になるため、25%を超えない範囲に収めるのが理想です。
ローン総額は「年収の5〜7倍」までが理想的
借入総額の目安は「年収の5〜7倍」といわれます。年収500万円なら2,500万〜3,500万円程度が理想的な借入額です。7倍を超えると返済負担が重くなり、生活の自由度が低下します。将来の収入減や金利上昇のリスクを考慮すれば、無理をしすぎない額で計画することが重要です。
共働きの場合の住宅ローン目安
共働き家庭では、夫婦の収入を合算して借入額を増やせるメリットがあります。
しかし、その分リスクも大きくなるため注意が必要です。
合算年収で借入額が増える仕組み
共働きで収入合算をすると、金融機関の審査において合算年収が基準となり、借入可能額が大きくなります。例えば夫500万円・妻300万円なら合算800万円として審査されます。その結果、より高額な物件購入が可能になるんです。
片方の収入が減った場合のリスク
ただし注意点は、どちらかの収入が減った場合のリスクです。育児や転職、病気などで収入が減少すると、返済が家計を圧迫します。
合算で高額ローンを組むより、片方の収入だけでも返済できる金額に抑えるのが安全策かもしれません。
ペアローン・連帯債務・収入合算の違い
共働きの場合のローンには「ペアローン」「連帯債務」「収入合算」の3種類があります。
ペアローンは夫婦それぞれがローンを組み、税制優遇を両方受けられるのがメリット。
連帯債務は一人が主債務者で、もう一人が連帯債務者になる仕組みです。
収入合算はあくまで審査基準として収入を合算する方法で、返済の責任は主債務者にあります。仕組みを理解して、自分たちのライフプランに合った方式を選びましょう。
実際の返済額のシミュレーション
最後は具体的にどのくらいの返済になるのか、年収別にシミュレーションしてみましょう。
年収400万円・500万円・700万円での返済額例
先に紹介した理想の返済比率である25%でシミュレーションしてみました。
| 年収 | 年間返済額 | 月額 | 借入額 |
| 400万円 | 100万円 | 8.3万円 | 約2,000万円程度 |
| 500万円 | 125万円 | 10.4万円 | 約2,500万円程度 |
| 700万円 | 175万円 | 14.6万円 | 約3,500万円程度 |
ここにボーナス払いを組み込むと月々の負担は軽くなりますが、ボーナス減額や不支給のリスクがあります。特に不況時には不安定になるため、ボーナス払いは慎重に設定する必要があります。
また、金利の違いも返済額に影響します。
変動金利は低金利で始められますが、将来金利が上昇すれば返済額が増えるリスクがありますし、固定金利は金利上昇リスクがない代わりに、変動より高めに設定されます。
一般的に長期的な安定を重視するなら固定金利、返済総額を抑えたいなら変動金利が選ばれる傾向にあります。
まとめ
今回は住宅ローンについて、年収の目安や手取りでの実際の返済額予想などもみてきました。
住宅ローンは「年収の5〜7倍」「返済比率25%以内」が目安ですが、これらは全て手取りベースで考えることが重要です。共働きで借入額を増やすこともできますが、その分リスクも伴うため注意が必要ということにも触れました。年収別シミュレーションを参考に、無理のない範囲でローンを設定しましょう。
住宅ローンは長期戦です。生活防衛資金やライフプランを意識して、安心して返済できる計画を立てることが、理想の住まいを手に入れる第一歩となります。
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